キッチン・ストーリー
1950年代の初め。スウェーデンからトレーラーを引いたワゴンが、何十台も連なってノルウェーにやってきます。彼らは使いやすいキッチンを開発すべく送り込まれた調査員たち、ノルウェーの独身男性のキッチンに脚のながーい監視台を持ち込んでいちにち中観察をするためにやってきたのでした。

みなさん、さようなら
末期ガンに冒された中年男性レミと、彼を慕う家族や友人たちのお話です。オープニング、病院の長い長い廊下をナース姿のシスターが歩くシーンは、まるでドキュメンタリーを観ているような迫力。「ママもこんな風に死にたいわ!」という母の推薦で観てみました。粗末な病院の相部屋で療養中のレミに、エリートの息子は巧みな話術とお金を使って立派な個室を用意し、友人たちを集めます。ガンの苦しみに耐えることは辛いだろうけど、こんな風に愛する人たちに見守られて穏やかに死を迎えることは幸せなことかもと思いました。でもレミは、その間際まで「死ぬ意味が見つけられない」と言っていました。それでも自分の死を受け入れなければならないって、どんな気分なんだろう。
合間合間に、レミが16世紀に殺された先住民の話をしたり背景のテレビニュースでニューヨークの貿易センタービルに飛行機が突っ込む映像が流れたり、たくさんの死とひとつの命の終わりが妙に重なって気が遠くなりそうでした。
それでも、エンディングで流れる「太陽と雨を鞄に入れて、雲の向こうから友がやってくる」というような歌は、とてもかろやかに心にひびきました。
スイミング・プール
『8人の女たち』を観たせいですっかり油断していましたが、観ながら「あぁ、やっぱオゾン...」と思いました。難解です。しかしながら、映像や音楽、ふたりの異なるタイプの美女を思う存分堪能できました(スケベおやじのような感想...)。というか、鑑賞1回目はリュディヴィーヌに見とれてストーリーをまったく追えない始末です。『焼け石に水』では顔に似合わないダイナマイトなボデーにびっくりしたものですが、今回はばっちり鍛えてそれこそ完璧な美しさでした。彼女は劇中、衣装をほとんど着てません。あっぱれ。
そして後半、シャーロット・ランプリングの大胆さにもまた驚きました。一瞬顔から下、合成してるのかと思うほど。いやぁ、年を取ってもきれいでいる努力は惜しんではいけません。
女性陣が目を見張るような身体を見せつける反面、男たちのたるみ具合が気になりました。あれにもなんか意味があるのかしら?やっぱ難しい...。
モンスター
シャーリーズ・セロンの変貌ぶりに興味があって観たのですが、終わってしばらく放心してしまうほど重たい作品。
実話ということに加え、アイリーンがすでに処刑されているということ、それにシャーリーズの迫真の演技に圧倒されてしまいました。彼女自身、アル中で暴力的だった父親を母親が銃殺するという体験をしていますから、どういう気持ちで演じていたんだろうかとかいろいろ考えてしまいました。当たり前のことだけど、人が人として生きていくには愛情や最低限の教育が不可欠なんだなぁと改めて感じました。なにも与えられなかった彼女のような人は、歪んだ正義で自分を守ることしかできず、時にはそれが他人や自分を破滅させてしまうのでしょうか。
それにしても、今まですっごい美人としか見られなかったシャーリーズでしたが、十分に演技力もあるってことがわかりました。しかし特殊メイクもすごいもんですね。クリスティーナも、若さにまかせた薄情っぷりがうまかったと思います。
ムッシュ・カステラの恋
典型的な中小企業の冴えない中年社長、世間知らずのその妻、将来の見えないオールドミスの舞台女優、堅物のもと刑事などなど、など...。「こういうめんどくさい人、いるいる〜」といった感じの、不器用なおとな大集合。みんな悪い人じゃないんだけど、不器用故に大切な人とすれ違うばかり。これが若い人の話なら「ふん。死ぬまで悩め」てなものですが、みんながみんな「いい年してもー」と、言いたくなるような憎めない人ばかりです。『ムッシュ・カステラの恋』とひとくくりにしてしまうにはもったいない、いろんな人たちのドラマです。
監督は『家族の気分』の脚本・出演もしていた女性、本作でもバーで働くマニー役で出演しているようです。脚本も主演のジャン=ピエール・バクリとともに手がけていて、脇役に至るまでもキャラクター描写が細やかで(みんなわかりやすすぎる気もするけど)、全体の暖かい雰囲気にも好感が持てました。
もうちょっと観たい!と思わせるエンディングも、フランスらしくて好きです。すべてがうまくおさまって「めでたしめでたし♪」というエンディングよりも(例えば『ラブ・アクチュアリー』のような...あれはあれで大好きですが)、現実的で「そして人生は続く...」という余韻が残るのがなんとも良いです。
シェルタリング・スカイ
10年以上前に観たとき、スケールのでかさに途方に暮れてしまった覚えがあります。最近じっくりと観直してみましたが、あんな土地で夫を失うデヴラ・ウィンガーの孤独を思うと、やっぱり途方に暮れてしまうのでした。「あなたは誰も必要としていない」と言われたマルコヴィッチの瞳は、妻を見つめながらもやはりずっと遠くを見ているようでもあり、本当は愛が終わっていることに気づかないふりをして旅を続けているように思えてかなしかったです。
アフリカの広大な景色、美しくてかなしい音楽(by教授)、センスの良い衣装などなど...。
誰かが死んでも、残された者は残された時間を地球のどこかで生きていくしかないのだなぁ。










└ 匿名 (05/28 4:43 PM)
└ Kabachan (05/30 10:48 PM)
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