[ February 2006 ] Archive
ムッシュ・カステラの恋
典型的な中小企業の冴えない中年社長、世間知らずのその妻、将来の見えないオールドミスの舞台女優、堅物のもと刑事などなど、など...。「こういうめんどくさい人、いるいる〜」といった感じの、不器用なおとな大集合。みんな悪い人じゃないんだけど、不器用故に大切な人とすれ違うばかり。これが若い人の話なら「ふん。死ぬまで悩め」てなものですが、みんながみんな「いい年してもー」と、言いたくなるような憎めない人ばかりです。『ムッシュ・カステラの恋』とひとくくりにしてしまうにはもったいない、いろんな人たちのドラマです。
監督は『家族の気分』の脚本・出演もしていた女性、本作でもバーで働くマニー役で出演しているようです。脚本も主演のジャン=ピエール・バクリとともに手がけていて、脇役に至るまでもキャラクター描写が細やかで(みんなわかりやすすぎる気もするけど)、全体の暖かい雰囲気にも好感が持てました。
もうちょっと観たい!と思わせるエンディングも、フランスらしくて好きです。すべてがうまくおさまって「めでたしめでたし♪」というエンディングよりも(例えば『ラブ・アクチュアリー』のような...あれはあれで大好きですが)、現実的で「そして人生は続く...」という余韻が残るのがなんとも良いです。
シェルタリング・スカイ
10年以上前に観たとき、スケールのでかさに途方に暮れてしまった覚えがあります。最近じっくりと観直してみましたが、あんな土地で夫を失うデヴラ・ウィンガーの孤独を思うと、やっぱり途方に暮れてしまうのでした。「あなたは誰も必要としていない」と言われたマルコヴィッチの瞳は、妻を見つめながらもやはりずっと遠くを見ているようでもあり、本当は愛が終わっていることに気づかないふりをして旅を続けているように思えてかなしかったです。
アフリカの広大な景色、美しくてかなしい音楽(by教授)、センスの良い衣装などなど...。
誰かが死んでも、残された者は残された時間を地球のどこかで生きていくしかないのだなぁ。
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