[ まみむめも ] Archive
みなさん、さようなら
末期ガンに冒された中年男性レミと、彼を慕う家族や友人たちのお話です。オープニング、病院の長い長い廊下をナース姿のシスターが歩くシーンは、まるでドキュメンタリーを観ているような迫力。「ママもこんな風に死にたいわ!」という母の推薦で観てみました。粗末な病院の相部屋で療養中のレミに、エリートの息子は巧みな話術とお金を使って立派な個室を用意し、友人たちを集めます。ガンの苦しみに耐えることは辛いだろうけど、こんな風に愛する人たちに見守られて穏やかに死を迎えることは幸せなことかもと思いました。でもレミは、その間際まで「死ぬ意味が見つけられない」と言っていました。それでも自分の死を受け入れなければならないって、どんな気分なんだろう。
合間合間に、レミが16世紀に殺された先住民の話をしたり背景のテレビニュースでニューヨークの貿易センタービルに飛行機が突っ込む映像が流れたり、たくさんの死とひとつの命の終わりが妙に重なって気が遠くなりそうでした。
それでも、エンディングで流れる「太陽と雨を鞄に入れて、雲の向こうから友がやってくる」というような歌は、とてもかろやかに心にひびきました。
モンスター
シャーリーズ・セロンの変貌ぶりに興味があって観たのですが、終わってしばらく放心してしまうほど重たい作品。
実話ということに加え、アイリーンがすでに処刑されているということ、それにシャーリーズの迫真の演技に圧倒されてしまいました。彼女自身、アル中で暴力的だった父親を母親が銃殺するという体験をしていますから、どういう気持ちで演じていたんだろうかとかいろいろ考えてしまいました。当たり前のことだけど、人が人として生きていくには愛情や最低限の教育が不可欠なんだなぁと改めて感じました。なにも与えられなかった彼女のような人は、歪んだ正義で自分を守ることしかできず、時にはそれが他人や自分を破滅させてしまうのでしょうか。
それにしても、今まですっごい美人としか見られなかったシャーリーズでしたが、十分に演技力もあるってことがわかりました。しかし特殊メイクもすごいもんですね。クリスティーナも、若さにまかせた薄情っぷりがうまかったと思います。
ムッシュ・カステラの恋
典型的な中小企業の冴えない中年社長、世間知らずのその妻、将来の見えないオールドミスの舞台女優、堅物のもと刑事などなど、など...。「こういうめんどくさい人、いるいる〜」といった感じの、不器用なおとな大集合。みんな悪い人じゃないんだけど、不器用故に大切な人とすれ違うばかり。これが若い人の話なら「ふん。死ぬまで悩め」てなものですが、みんながみんな「いい年してもー」と、言いたくなるような憎めない人ばかりです。『ムッシュ・カステラの恋』とひとくくりにしてしまうにはもったいない、いろんな人たちのドラマです。
監督は『家族の気分』の脚本・出演もしていた女性、本作でもバーで働くマニー役で出演しているようです。脚本も主演のジャン=ピエール・バクリとともに手がけていて、脇役に至るまでもキャラクター描写が細やかで(みんなわかりやすすぎる気もするけど)、全体の暖かい雰囲気にも好感が持てました。
もうちょっと観たい!と思わせるエンディングも、フランスらしくて好きです。すべてがうまくおさまって「めでたしめでたし♪」というエンディングよりも(例えば『ラブ・アクチュアリー』のような...あれはあれで大好きですが)、現実的で「そして人生は続く...」という余韻が残るのがなんとも良いです。
マルコヴィッチの穴
前半は気楽に笑っていられるのですが、何度観ても終わりに近づくにつれて頭の中がぐちゃぐちゃになってしまいます。捨て身のキャメロンディアスには感服しました。救いがたいもっさり感です。
満月の夜
本作が遺作となってしまったという主演のパスカルオジェ、ロメール作品の主演女優としては異彩を放つ存在感で、とにかく声がキュートでした。若きチェッキーカリョはヴィンセントギャロのようでした。ファブリスルキーニはいつも通り。パスカルオジェがチェッキーカリョと暮らす郊外の広い家、それからパリのアパート、シンプルな内装やインテリアにとてもときめきました。
喜劇と格言シリーズ。誰かをやきもきさせて自分の好きなように生きるのは良いだろうけど、相手の心までは思い通りになりません。
魅せられて
6、7年前に魅せられて以来、最近になってスカパー!でやっていたのを懐かしむように観ました。やっぱり魅せられちゃったなぁ。イタリアの田舎風景と、みずみずしく美しすぎるリブタイラー...故にストーリーがあまり頭に入ってこないのですが。昔観たときに、すごく安っぽく見えていた女の子はレイチェルワイズでした。レイチェルワイズだと思って見ると、やっぱりきれいなレイチェルワイズに見えるのでした。
Mr.ディーズ
ばからしいと鼻で笑いつつも憎めぬ映画です。最高にぬるいですが...。アダムサンドラーはどの映画で見ても同じ人。ウィノナライダーもさすがに老けたなぁと思います。この映画を支えていたのは、ジョンタトゥーロの存在だけだったと思います。
見えない恐怖
若き盲目のミアファローが殺人鬼に狙われる、おそろしいお話です。ミアファローは盲目が故に、屋敷の中で住人がたくさん殺されていることに気づかずにしばらく過ごすのですが、その設定と見せ方がおもしろかったです。ミアファローは難なく乗馬をこなしたり、さすがは品格のあるお嬢さんといった雰囲気ですが、丘から転げ落ちてどろんこになるようなシーンもスタントなしでやっていて(たぶん)、役者魂を見せつけています。







