[ 愛読書 ] Archive
不思議レシピ松田式
大好きな豚の肩ロースブロックを使って、根菜のトマトシチューをつくりました。さといも・れんこん・ごぼうの入ったちょっと奇妙なシチュー、松田美智子さんのレシピです。
私の料理がおいしい理由:松田 美智子

根菜のトマトシチューは、冷蔵庫に和食な野菜しかないのに気分は洋食だなぁという日、生まれて初めてさといもを買い足してつくってみました。さといもはこどもの頃母親がめんどくさそうに下ごしらえをしている印象が強く残っていて、その上あんまり好みの味ではなかったので今まで見向きもしなかった野菜ですが、こないだチワさんの日記でさといもを見かけてなんとなく食べてみたくなりました。松田式さといもの処理法は、まずまわりの泥やけばけばをたわしでよくこすり落とし、日当たりの良いところに置いてまわりを乾燥させ、それから皮をむくというものでした。ぬるぬるせずに簡単にできました。
根菜入りのシチューは意外にもとてもおいしかったです。豚の肩ロース、最高においしい。筑前煮がそれほど好みでない様子の(わたしに怒られるので口には出しませんが)だんなさんと長男も、なかなか満足そうに食べていました。
PMS克服道
中美恵のキレイになるマクロビ教室 食べるエステ:中美恵

この本を紹介するのは2回目ですが、前に書いたときには『おっぱいがふっくら』とか『香りたつ体臭』にすっかりやられて、肝心のどーにかしたい症状については触れずじまいでした。
月経前症候群(PMS)ですが、わたしの症状は生理が始まる1〜2日前の激しい頭痛と気分の落ち込み&イライラ、始まって2日目の下腹部の鈍痛など。
女性の身体は月のエネルギーを受けるのが得意なんだそうです。著者の中さん曰く、月の満ち欠けの周期がだいたい28日で、新月の頃に排卵して満月の頃に生理が始まるようになれば、からだがものすごくラクになるんですって。ちょっと素敵。
食事なんかに気をつけていれば自然とそういうサイクルになってくるらしいのだけど、本当かしら?少女時代、生理中の友達と一緒にいると自分も生理が始まっちゃうなんてことがありましたが、それはもしかすると月の満ち欠けが関係していたのかも。わたしの周期もほぼ28日だけど、なかなかおつきさまと連動するのは難しい。
地平線のひと
長新太 ナンセンスの地平線からやってきた:土井 章史 (編)

長さんが長さんになる前からの作品から年代別にまとめられ、とても愛のこもった解説付き。これを編集された土井章史さんという方は、長年長さんとの仕事に携わりながら古本屋で長さんの作品を探し回り続けた長さんオタク。ご本人を知りながらそんなことをしていた人なんで、この本をつくるのにも相当な想いがあったことと思います。それがずっしりと伝わる内容なのでした。
ぱらっとページをめくったところに、長さんの写真がこちらをちろりと見ていて、あまりの不意打ちに胸を打ち抜かれたような思いがしました。いじけたような、ふざけたような、でもちょっとかなしげでもある大好きな写真です。土井さん、憎いッス。
それから、若い頃の、仕事部屋にいる長さんの写真も大好きです。とっても居心地の良さそうな仕事部屋なのです。この写真が載っているのが長さんの奥様である鈴木フミさんへのインタビューのページなのですが、『聞いてみたかった、チョーさんの日常』だなんて、長さんファンなら心が震えるような記事なのでした。奥様、立派な方だなぁと思いました。わたしは長さんが大好きだけど、でももし自分のだんなさんだったら困るなぁ...(妄想チュウ)。
そういえば『飛ぶ教室』の特集だったか、長さん年表みたいなのを見ていたら、長さんがイタリアのなんとか漫画賞を受賞したついでに2ヶ月のヨーロッパ旅行をしていたとき、奥様は息子さんを妊娠中でした(9月に帰国して11月に長男出産と書いてあった気がする)。奥様、やっぱ立派だなぁ。長さんの、数え切れない素晴らしい作品は、この奥様の度量あってこそのものなんですね。
全部読み終えて「ぷー。満足満足」。でもそのあとに思ったことは、こんな風に過去のことや日常のことをほじくり返されて、長さんは怒っていないかしら。ということでした。でもわたしは、また少し長さんを知ることができてうれしいです。まだまだまだまだ謎だらけですけど。
夏野菜とふっくらの話題
実家から、15キロの米袋と一緒にたくさんの夏野菜が送られてきました。わたくし、トマトはもちろんのことなすびやピーマンなどの夏野菜にめがありません。冬場はときどき缶詰を買う程度でずっと我慢していたトマト、夏になったら長男と競うようにして毎日毎日食べております。実家のトマトはとてもワイルドです(笑。なすびとオクラはさっそく揚げびたしにしていただきました。うまいねぇ〜。
チャーリーのえんびふく
オーケストラの105人:カーラ・カスキン (文)、マーク・サイモント (絵)、岩谷 時子(訳)

ある夜のオーケストラのメンバーの、コンサートが始まるまでの個々の準備風景を、事細かに描いています。なんでもない内容だけど、絵がかわいくて楽しめました。
男の人がなん人で女の人がなん人、そのうちなん人が泡がいっぱいのお風呂に入ってあとの人はシャワーを使う、お風呂からあがって大きいバスタオルで体を拭く人もいれば小さいバスタオルの人もいて...。色とりどりのバスタオルや下着を見ていると、白と黒で統一されたオーケストラの面々もひとりひとりの個性の集まりであることにあらためて気付かされます。
最初に『チャーリーのえんびふくに』というメッセージが入っているので、実在のオーケストラなのかもしれません。えんびふくを着た指揮者のチャーリーは、ドアマン常駐のマンションからリムジンに乗っておでまし、いかにもセレブな雰囲気ですが、その他のメンバーはごく普通の暮らしぶりであることがうかがえます。ちょっと意外でした。
寝ても覚めても長さん
ごろごろにゃーん:長 新太

ごろごろにゃーんごろごろにゃーんと、ひこうきはとんでいきます...あれあれー?とぼんやり起きてみたら、とくダネ!の温故知人で長さんの特集をやっていました。あぁ!もっかい寝ると決めたときにテレビを消さずにいてよかった。
最近のわたしの頭の中はだいたい4割ぐらいは長さんでいっぱいで、うとうとする直前まで読んでいたのもやっぱり長さんの本で、目覚めたらテレビに長さんが出ているなんてまったく夢のようなのでした。
ところでこの温故知人というコーナは、いつも魅力的な人を取り上げてくれるのですが(岸田今日子さんとか)、どうも進行役の落語家が苦手です。映像だけ見せてくれたらいいのになぁと、この日ばかりは心底思いました。
いつもは知ったかぶりをイヤミに披露する小倉さんも室井佑月もぽかんとしていたし、家族愛を強調したシメも気持ちが悪かったですけど、初めて動いている長さんを見られて泣きたいぐらいうれしかったです。奥さんや息子さんの話をもっともっと聞きたかったなぁ。息子さんの書いた文章が直筆で出ていて「父と遊んだ記憶がない」というようなことが書かれていたのですが、その文字が長さんのにそっくりで思わずにやけてしまいました。 特集の冒頭で紹介されていたこの本は、前日の夜に息子に読み聞かせたばかりでした。
猫たちがトビウオ型の飛行機に乗り同じフレーズが何度も繰り返されるだけのお話なのですが、奇想天外で何度も何度もページをめくってしまいます。息子も大喜び。
今更ポール・オースター祭り
トゥルー・ストーリーズ:ポール・オースター

彼が人から聞いたり彼自身の偶然の出来事などがつらつらと書かれたエッセーです。こんな偶然ってあるんだなぁとびっくりしてしまったり、貧乏時代にこなした様々な職業についての話題はとてもおもしろかったです。それにしても経験豊富、そして些細な出来事でもきちんと記しておくことはぜひとも見習いたいと思いました。わたしなんかが見習ったところで...とは思うわけですが。
やぁ★ゲバラ!惚れちゃいました
チェ★ゲバラ モーターサイクル南米旅行日記:エルネスト・チェ・ゲバラ(著)、棚橋 加奈江 (訳)

革命家となってからの彼のことはあれこれ言えるだけの知識がわたしにはないのですが、まだ彼がただのエルネスト・ゲバラとして親友アルベルトとともに旅をしながら綴ったこの日記には、すでに指導者チェ・ゲバラとしての強い意志や自信が見え隠れしています。
弱いものを守るために自ら武器を持って立ち向かうということが、日本人のわたしには本当に正しいことかどうか判断できないのだけど、少なくともこの本から受ける彼の印象は、まだ少年の面影すら残る野心家で心の優しい青年なのです。
それにしてもこういう類の本を読み慣れていないせいかもしれないけれど、日本語なのに日本語でないような、1行読むのに何度も読み返したりして、読んでも読んでも進まない気がしました。言葉はもちろん、文化や時代も違うし、こういう本の翻訳って難しいのでしょうか。でももしわたしがアルゼンチン語を熟知していれば、もうちょっとセンスの良い本にできたかもなぁとか、図々しいことを考えながら読みました。
それでも、彼の文章はとってもユーモアがあってぷっと吹き出してしまう表現が数々ありました。それを日本語に訳すとどうにもわかりづらいのですが。原文ではどうなっているんだろ。見てもどうせわからないんだけど。
医学を学ぶ立場からか、いろんな場所でトイレの不衛生さを指摘していますが、ペルーのインディオがそこら辺に適当に用を足して女の人はスカートで拭いてるようだけど男はそのまんまらしいということを書いてあって、ひっくり返りそうになりました。その後に『女の人と子供のセットは排泄物の倉庫だ』と付け加えてあって吹き出しました。
そこでの光景がゲバラにとっても印象深かったのか、後に訪れるハンセン病患者の療養施設の劣悪な環境について、『治療内容はともかくその他は地獄だ』。そして『その他のことを我慢できるのは、ペルー山岳地帯のインディオたちの持っている宿命主義的な悩める精神だけだ。』と記しています。こんなユーモアのセンスがあるからこそ、人々に愛される革命家となったんだろうなぁ。
『モーターサイクル・ダイアリーズ』は、この本のエピソードをバラバラにしてつなぎ合わせたような印象がありました。随所で映画の場面に出くわしますが、順序がでたらめなので映画を思い出しながら読むとちょっと混乱してしまうかも。
それにしても、ガエル・ガルシア・ベルナルはかっこよかったですなぁ。
フロイト家のメイドさん
フロイト家の日常生活:デトレフ・ベルテルセン (著)、石光 泰夫、石光 輝子 (訳)
図書館でたまたま見つけた本ですが、これがもし本屋で見つけた本だったなら見向きもしなかっただろうに、これぞ図書館の魔力だなぁ。
フロイトといえば、映画『アニー・ホール』の冒頭でウディ・アレンがフロイトがネタ元だとするマルクス兄弟のジョークを引用していて、だからわたしはてっきりそういう昔のコメディアンかなにかだと、最近まで思ってたりして。恥ずかしい限りですが。
フロイトの本を読破する自信は今のわたしにはまったくありませんが、賢い人がどんな日常生活を送っていたか、それは非常に興味深いところです。この本のタイトルは、そんなわたしの下世話な心をくすぐりました。パウラ・フィヒトルという名前の、フロイト家で30数年働いたメイドのインタビューからなるこの本、翻訳の文章が嫌になるほどわかりづらく、読むのにかなり時間がかかりました。でもタイトルのまんまの印象で、とてもおもしろかったのです。
30数年といっても、パウラが雇われたときにはジークムント・フロイトはすでにおじいちゃんで、ロンドンに亡命してから程なく亡くなってしまうのですが。
第二次大戦中のさなかユダヤ人であったフロイト家をとりまく時代背景もまた、わたしのつたない歴史の知識とリンクしてなるほどねぇと唸りました。
マリリン・モンローが患者としてやって来たときの話も、興味津々で読みました。あとはヴァージニア・ウルフなども、わたしは映画『めぐりあう時間たち』の中での彼女ぐらいしか知らないので、パウラの視点で書かれた彼女たちの印象はおもしろかったです。
フロイト家の日常の描写もやはりおもしろかったです。ウィーンで暮らしていたアパートは間取り図のカットまであって、わたしはいろんな妄想をふくらませつつ読みました。でもフロイト家の人たちのというよりもパウラを中心に書かれているので、どんどん彼女に感情移入してしまって、読み進むうちにわたしはほとんどパウラになりかけていた気がします。
彼女のフロイト家に仕える精神はしだいに病的になり、「メイド症候群」とでも呼びたいくらい。ご主人様に診てもらえばよかったのに。
詩人の暮らし
ひとり暮らし:谷川俊太郎

特にファンというわけではありませんが、数年前に谷川さんの愛車がFIATのプントだということを知ってからなんとなく気になる人です。 普段から物書きをしている人の(特に谷川さんは詩人であるし、他人の文章を翻訳したりもしているので)、自分のことを書いた文章というのはとても興味深くておもしろいです。ひとつひとつの言葉をかみしめるように、じっくり読んだ本です。
文章で自画像を書くことなどについてふれていた項だったと思うのですが、レンブラントの自画像について『そのへんにころがっているじゃがいもを見る目と同じ目で自分を見ていて、なんの思い入れもないのだが、その表情は実に生き生きしている。』と書かれていて、「はぁー」とため息が出ました。
その他、『自分と出会う』では『ほんとは誰でも自分とつきあうのは大変なんじゃないか。ただ大変なのを自分じゃなく、他人のせいにしているだけじゃないか。』
『とりとめなく』では『ごまかしからごまかしへと生きていく間に、真実が見え隠れするからだ。』
こんなふうに言葉にできる才能ってすごい。わたしはこれに対して、うまい感想も浮かびません...。















